世間ではパチンコ産業はまだまだ認知されていません。しかし昨今のパチンコはギャンブル性も低下し、日常的に安価で長い時間楽しめる仕組みになっています。
お客様からすればギャンブルですから、私がホールに出れば「玉を出せ」「新台を入れてくれ」
いろんな厳しいご意見を頂きます。しかし私に意見を言ってくるお客様の殆どが笑顔で元気、毎日来てくれるお客様です。愚痴を楽しく聞けることも私達の楽しみです。
高齢化が進む中、朝から夕方までお爺さんやお婆さんがパチンコホールで一喜一憂、お友達とお話をしながら、時には競いながら過ごせる場だと自負しています。
私のお祖母さんも、お母さんも、パチンコが大好きで、暇があればホールに遊びに行っていました。当時は晩御飯の時間になると、よく呼びに行きました。 毎日ご来店頂けたお婆さんが亡くなった時のことです。娘さんから、 「本当には母はこの店で遊ぶことが好きで、スタッフの方にもお世話になりました。営業で使っているプレートPOPや玉を下さい。一緒に天国に持って行ってもらいたいから」と言われたこともあります。
パチンコが無くなれば本当に困る方も多くいます。今やパチンコは人に元気や活力を与えるサービス業であり、日本で生まれ日本で育ったしっかりとした大衆娯楽だと思っています。
パチンコを中心に営んできた当社ですが、実はパチンコはどれだけ頑張っても「ありがとう」を頂けることの少ない産業なのです。やっぱり「ありがとう」が好きで、「ありがとう」と言ってもらいたいのですね。飲食店では、「ありがとう」、「うまかったよ」、「また来るね」、そんな言葉を頂ける場が多くあります。すると、やっていて良かった、明日も頑張れる、そんな気持ちになるのです。
私がお客様を見ていて一番好きなシーンがあります。それは、食べ物を口に入れた時、
召し上がれたお客様の目が大きくなり、美味しいと満面の笑みを浮かべる瞬間です。その瞬間は社会に貢献できているな、人の幸せや大切な時間のお手伝いができていると感じるのです。
逆に一口目で何も感じられていないお客様を見たときは何か寂しさを感じ、その原因の追究をしたくなりますね。飲食業は営業時間も長く、働く社員にとっては過酷な環境かもしれません。
だからこそ、人の喜びを自分の喜びと感じられる社員を育てたり、食を通じて地域に貢献している、人の幸せのお手伝いをさせて頂いていると感じられる社員になってほしいと思っています。
創業から不動産業を営んできましたが、パチンコ産業に参入し、飲食店やカラオケ、ネットカフェ、ゴルフ練習場を展開、最近では自動車販売流通業も手掛けています。
一つの伝統を守っていく事も大切ですが、私は全てのものがいつかは古くなり、変化無くして未来はないと思っています。既存店の進化は勿論、チャンスがあれば他の産業にも挑戦していくつもりです。今いるスタッフも挑戦することに恐れず、変化を楽しみ、共に成長していきたいと願っています。
私の楽しみは会社の社員達と飲んで踊って楽しむこと。毎年開催される社員旅行、月に2回の草野球、毎月どこかで集まっている社員達と一緒に飲むこと、それが私のモチベーションの維持に繋がっています。
30才当時の私には、後ろを振り返れば支えてくれる社員はほんの数人、今では振り帰らずとも多くの社員が私を支えてくれています。実は私は何もできない人間なので、いつもどこかで誰かが私を助けてくれています。そんな社員が私の誇りなのです。
私には挑戦することを恐れず、守ることを忘れず、今いる社員を守り続けていく使命があります。
当社の理念である、「家族を守り続ける」を実践する為に。
取締役副社長杉本泰洋